M.M.S.Tトーク企画
monologos/dialogos ~福岡の“つくる”をめぐって~
を6/28(日)に開催しました。
この企画は、福岡で活動する様々な分野の有識者と作品鑑賞を通して語り合う場をつくり、
文化活動と社会の活性化について、未来的視点で考える機会を生み出すことを目的におこなった事業です。
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普段、私たちのカンパニーとはなかなか縁がなさそうな、もっといえば、
舞台芸術、演劇にはなかなかご縁がありません、というような他分野の専門家、有識者をゲストに迎えて、
一つの作品を共通項として語り合ってみよう、というところからスタートしました。
そこで、今回のゲストには、福岡県は筑後、柳川の、老舗料亭・旅館の、「御花」より、
シニアマネージャーの中村貴康さんをお招きしました。
進行役は、大阪を中心に活動されている演劇研究家、正木喜勝さんにお願いしました。
また、今回、M.M.S.Tが過去に上演をおこなったことのある作品、三島由紀夫の近代能楽集から、「葵上」を上演し、
この作品鑑賞を通して色んな視点から語り合う会にしました。
一般的によく見られるアフタートークとちょっと違っておりまして、
進行の正木さんの誘導により、フィールドワークのように、作品の始まりから終わりまで、
登場人物の動きや所作、舞台上に流れる音など、事細かに取り上げ、感想を述べあったり、
その意図は何か、どう見えたか、どういう印象であったかなどを語り合うというものでした。
これが、参加者に作品について語る、という一つのハードル(「こんなこと言って間違ってたら恥ずかしい」、
「自分は専門じゃないし、どう見たらいいのかわからない」etc、、、)を
良い意味で下げる形になり、その後のゲスト、観客を交えての交流会は盛り上がっていました。
普段私たちが舞台公演を観に行く、というと、作品を観た後は、それが面白かろうが全く分からなかろうが、
作品についての感想などは個々人の中で持ち帰る、もしくは話したとしても一緒に行った友人や
会場で居合わせた知り合いとちょっと帰りしなに語って帰る、というのが一般的だと思いますが、
こうやって、作品について語る場が前提での交流の場があると、
自分がどう作品を観たかを複数の他者の話によって反芻する場にもなり、
作品についてもう一つ掘り下げる機会にもなるな、と思いました。
参加者からも好評でしたので、これは秋にも再度上演演目を変えて開催する予定です。
ご興味のある方は、時々このブログを見てください。
そんなトーク企画でした。
ちなみに、交流会では、三島由紀夫に絡めて、三島由紀夫が最後の晩餐にとったと言われる鳥鍋。
スタッフが前日からせっせとスープを仕込み振る舞いました。
また、あまり飲める方ではなかったという三島由紀夫ですが、交流会では三島がかつて演じた薩摩藩士とかけて、
薩摩の本格芋焼酎を数種揃えまして、アルコールは乾杯からそれだけに絞ってみました。
参加者からは、そこでもストイックさを出しちゃうんですか、という声も上がり、
我がカンパニーはそんな風に見えているのだな、と他者の視点を改めて感じた夜でした。
さて、今週末には、9月の釜山公演の出演者ワークショップオーディションを東京でおこないます。
申し込みは締め切りました。
さて、どんな出会いがあるのでしょう。